三〇 一 を刺すという事

現代語訳

  1. `を刺す
  2. `とは
  3. `敵と太刀が互角になったとき、敵の太刀の合間、己の太刀の合間に、敵の顔を己の太刀先で突く心を常に意識するところが肝心である
  4. `敵の顔を突く心があれば、敵の顔も身もけ反るものである
  5. `敵を仰け反らせるようにすれば色々勝つのに利がある
  6. `よくよく工夫すべし
  1. `戦の中で敵が身を仰け反らせる心があれば、はや勝つところとなる
  2. `それ故に面を刺すということを忘れてはならない
  3. `兵法の稽古の中でこの利への鍛錬あるべきものである