一〇 一 四手をはなすと云事

原文

  1. `四手をはなす
  2. `とは
  3. `敵も我も同じ心にはりあふ心になつては戦のはかゆかざるもの也
  4. `はりあふ心になると思はば其儘心をすてて別の利にて勝事を知る也
  5. `大分の兵法にしても四手の心にあれば果敢ゆかずひとのそんずる事也
  6. `はやく心をすてて敵の思はざる利にて勝事専也
  7. `一分の兵法にても四手になると思はば其儘心をかへて敵の位を得て各別替りたる利を以て勝を弁ふる事肝要也
  8. `能々分別すべし