一五 佐藤庄司の旧跡

原文

  1. `月の輪のわたしをて瀬の上と宿に出づ
  2. `佐藤庄司が旧跡は左の山際一里半
  3. `飯塚の里鯖野尋々丸山あたる
  4. `庄司の旧館
  5. `大手の跡など人の教るにまかせて泪をし又かたはらの古寺一家石碑を残す中にも二人の嫁がしるし哀也
  6. `女なれどもかひがひしき名の世に聞えつる物かな
  7. `をぬらしぬ
  8. `の石碑
  9. `も遠きにあらず
  10. `寺にて茶を乞へばに義経の太刀弁慶がをとどめて什物とす
  11. `も太刀も五月にかざれ紙幟
  1. `五月朔日の事