一二(八一)大二条殿に小式部内侍歌詠みかけ奉る事

現代語訳

  1. `これも昔の話、大二条殿・藤原教道が小式部内侍に思いを寄せていたが、絶え間がちになった頃、具合を悪くされ、しばらくしてよくなられたので、上東門院へ参られると、小式部は、台盤所におり、帰られるとき
  2. `死ぬところだった
  3. `なぜ尋ねなかったのか
  4. `と仰せられて去られようとしたとき、直衣の裾をつかんで引きとどめつつ、申し上げた
  5. `死ぬばかり、嘆きに嘆いておりました、生きて問うべき身ではないので
  6. `それを聞いて堪えきれず思われたか、抱き寄せて、局へ入られ、床に入られた