(四)伴大納言の事

現代語訳

  1. `これも昔の話、伴大納言善男は佐渡の国の郡司の従者であった
  2. `その国で善男は夢で
  3. `西大寺と東大寺を跨いで立った
  4. `と見て、妻にその由を語った
  5. `すると妻は
  6. `その股を引き裂かれるということでしょう
  7. `と判断したので、善男は驚き
  8. `つまらぬ事を語ってしまったか
  9. `と恐れ、極めて優れた人相見であった主の郡司の家を訪れると、日頃はそんなことなどしないのに、そのときに限って接待をし、円座を取り出して対座したので、善男は怪しみ
  10. `自分を騙して、妻の言うように股を裂くのだろうか
  11. `と恐れていると、郡司は
  12. `おぬしは実に高貴な夢を見た
  13. `しかし、つまらぬ人に語ってしまった
  14. `必ずや高い地位に就くだろうが、事件が起きて罪を被るだろう
  15. `と言った
  1. `そして、善男は縁あって京へ上り、大納言となった
  2. `だが、罪を被った
  3. `郡司の言葉どおりである