五〇

原文

  1. `死助の山にカツコ花あり
  2. `遠野郷にても珍しと云ふ花なり
  3. `五月閑古鳥の啼く頃、女や子ども之を採りに山へ行く
  4. `酢の中に漬けて置けば紫色になる
  5. `酸漿の実のやうに吹きて遊ぶなり
  6. `此花を採ることは若き者の最も大なる遊楽なり