三六 金沢

原文

  1. `卯の花山くりからが谷をこえて金沢は七月中の五日
  2. `に大坂よりかよふ商人何処
  3. `それが旅宿をともにす
  1. `一笑とものは道にすける名のほのぼの聞えて世に知人しに去年の冬早世したりとて兄追善を催すに
  2. `塚も動け我泣声は秋の風
  3. `ある草庵にいざなはれて
  4. `秋涼し手毎にむけや瓜茄子
  5. `途中吟
  6. `あかあかと日は難面もあきの風
  7. `小松と所にて
  8. `らしき名や小松萩すすき