七一姥神

原文

  1. `此話をしたる老女は熱心なる念仏者なれど、世の常の念仏者とは様かはり、一種邪宗らしき信仰あり
  2. `信者に道を伝ふることはあれども、互に厳重なる秘密を守り、其作法に就きては親にも子にも聊かたりとも知らしめず
  3. `又寺とも僧とも少しも関係はなくて、在家の者のみの集りなり
  4. `其人の数も多からず
  5. `辷石たにえと云ふ婦人などは同じ仲間なり
  6. `阿弥陀仏の斎日には、夜中人の静まるを待ちて会合し、隠れたる室にて祈祷す
  7. `魔法まじなひを善くする故に、郷党に対して一種の権威あり