五九河童

原文

  1. `の地にては河童の顔は青しと云ふやうなれど、遠野の河童はの色きなり
  1. `佐々木氏の曾祖母、かりし頃友だちと庭にて遊びてありしに、三本ばかりある胡桃の木の間より、真赤なる顔したる男の子の顔見えたり
  2. `これは河童なりしとなり
  3. `今もその胡桃大木にて在り
  4. `此家の屋敷のめぐりはすべて胡桃の樹なり