素龍書 跋

原文

  1. `からびたるも艶なるもたくましきもはかなげなるも
  2. `おくの細みち
  3. `もてにおぼえずたちて手をたたき村肝を刻む
  4. `一般をきるきる
  5. `かかる旅せまほし
  6. `思立一たびは座してまのあたりに奇景をあまんず
  7. `かくて百般の情に鮫人が玉をにしめしたり
  8. `旅なる
  9. `器なるかな
  10. `なげかしきはかうやうの人のいとかよげにて眉の霜のきそうふぞ
  11. `元禄七年初夏
  12. `素龍書