一四 しのぶの里

原文

  1. `あくればしのぶもぢの石をて忍ぶのさとに
  2. `山陰の小里に石土にてあり
  3. `里の童部りてける
  4. `昔は山の上にしを往来の人の麦草をあらして石を試侍をにくみて谷につき落せば石の下ざまにふしたり
  5. `
  6. `さもあるべき事にや
  7. `早苗とる手もとや昔しのぶ